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  • 笠島 克仁/Katsu・Winiche & Co. ディレクター

    KATSUHITO KASAJIMA

BETA JACKET RECUT | 2023

ニューヨークで手に入れた「ReCUT」のジャケット。

多くのものがウェブで買える今とは違い、店に行かないと欲しいものが手に入らない時代に育ってきた僕にとって、「ReCUT」はここ最近で、一番心を掴まれたプロダクトだ。

プロダクトを多色展開すると、製造段階でどうしても少しずつ残ってしまう色とりどりのゴアテックス生地は、従業員が自分で使うものやノベルティを作るかくらいしか使い道がなく、従来は多くが廃棄されていた。それを、カラーを組み合わせた限定プロダクトとして販売する取り組みが「ReCUT」。現在は北米だけで行われている。

インスタで女の子が着ていた、見たことのないカラーリングのジャケットを掘り下げていったら、それが「ReCUT」だった。その時にあるものを使って作られるから、どんな色の組み合わせになるかはその時次第。残反の量によって生産数が変わり、どこで何枚売られるのかもわからない。足で探さないと出会えない、タイミングが合わないと出てこないレア感、製品にリミテッドナンバーが入る明確さ、今は手に入りにくくなった「MADE IN CANADA」、昔のアウトドアカルチャーを感じさせるインスタのグラフィック、とにかくすべてがグッときた。

たまたまアメリカに行くタイミングで、アークテリクスのある場所を転々とし、一着だけ見つけたXXLサイズを購入して帰国。ところが、その後インスタグラムにたくさんの「ReCUT」が出てきて、「これもカッコいい」「こんなのもある」と興奮し、いてもたってもいられず友人とロードトリップに出た。シアトルからオレゴンへ、サンフランシスコは友達に頼んで、僕はニューヨークへ。1,500kmの旅で、その時存在するほとんどのカラーリングを揃えた。中には、インスタでも見たことのないカラーや、全部で200着弱くらいしかないものもある。これだけのカラーを揃えているのはかなり珍しいと思う。

たぶん、どのアウトドアブランドもこれをやりたいと思っているに違いない。それをアークテリクスが真っ先にやった。しかも、それを大っぴらに言わないアークテリクスが「ヤバイ!」って、僕たちは勝手に盛り上がっている。

bg