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木村 真/ロフトマン代表
MAKOTO KIMURA
GAMMA LT PANT | 2000
「今年は出展していないけれど、いいブランドがある」。1997年、ソルトレイクで行われていたORショーに行った時に知り合いからそう聞かされて、アークテリクスの存在を初めて知った。その時は読み方もわからなかったが、クライミングのハーネスを作っていたブランドがアパレルを作り始めたということは、周囲でかなりの噂になっていた。
初めて製品を見たのは、たぶん翌年のORショーに行った時に訪れた、ソルトレイクかロサンゼルスのアウトドアショップだったと思う。当時のシェルと言えば、バンザイをした状態をパターン化して可動域を確保するから、肩回りが不自然に尖った形をしているのが当たり前だった。ところが、アークテリクスは立体裁断で肘を曲げた形を作るため、見た目がとにかくカッコいい。明るさの違う2色の赤の組み合わせや、ずば抜けたカッティングやシームの技術。ほかのアウトドアウェアにはない、「色気」や「モード感」がアークテリクスにはあった。京都に「ロフトマンコープ」をオープンさせる時、並行輸入の代行業者を通じて商品を仕入れた。それから月日が経っても、使い方もデザインも常に新しいものを提案し続けるアークテリクスは、今もアウトドアファッションで独走状態にあると思っている。
MINUTEMAN PANT | 2001
スノーボードを始めたのは、スキー全盛期だった1991年ごろ。当時はまだあまり知られておらず、レンタルの板はスキー板を太く短くしたような形。当然スノーボード用のウェアなんてないから、スキーウェアやマウンテンパーカーを着て滑っていた。そして、2003年だったか、アークテリクスがホワイトラインを発売した時に、真っ先に手に入れたのが、「スティンガー ジャケット」と「ミニットマン パンツ」。機能はもちろんのこと、アパレルの世界に身を置くものとして、ほかとは違うものを着たいという気持ちも満たしてくれた。ジャケットはスタッフに譲ってしまったが、パンツは今も手元に残している。