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067

  • 岡本546/編集者

    546 OKAMOTO

FISSION SL JACKET | 2012

ARRO 16 | 2001

2000年16歳の初夏、駅から徒歩15分の通学路、目の前を歩く美術の教師。その丸い背中には、到底似つかわしくない、洗練された近未来的なバックパックがありました。

前を行く先生をつかまえて聞いたところ、得意げに教えてくれた、アークテリクスの「アロー22」なるアイテム。近くで見るとシュッと尖ったバレット型で、その真ん中にはニブく光る黒い線が一本走っていました。あまりのカッコよさに稲妻のような衝撃が走ったことを、今でも昨日のことのように思い出します。それが僕とアークテリクスとの出合いであり、その日から僕の頭の中はアークテリクスでいっぱいになりました。

当時はインターネットの普及もまだまだで、自分の足で情報収集し、町田の「東急ハンズ」で初めて購入したのが「アロー 16」。そう、高校生の財力では高価な「アロー 22」に手が届かず、ひと回り小さい「アロー 16」で妥協したのです。それでもこの上なくホクホクでした。

それからというもの、アウトドアファッションにのめり込み、アークテリクスは「シータ AR」や「サイドワインダー」、「スコーピオン」など、歴代の名モデルを背伸びして着たものです。そんなシェル一辺倒だったおり、インシュレーションジャケットである「フィション SL ジャケット」の存在を知り“こんなにも美しく完成された服があるのか”と、人生二度目の稲妻をアークテリクスから打ち込まれました。

すぐに欲しくなり、運よくカナダ製の最終モデルを滑り込みで購入したものの、もったいなくて全然着られず。しかたなく翌年に、海外製に変わった同モデルの同色同サイズを購入するも、これまた気に入りすぎてなかなか着ることができず。そのまま月日は流れ、今やあの日の美術教師を超える勢いで丸くなった背中。アーカイブ的立ち位置でクローゼットを温めている2着の「フィション SL ジャケット」と、体に対して小さくなりすぎた「アロー 16」に、再び出番がやってくるかどうかは僕のダイエット次第。いまだ目処は立っていません。

bg