子どもができた。毎日公園に連れていくのに、仕事で着ていたスカートやパンプスは適していないと、動きやすいジャケットを買った。アークテリクスを選んだのは、学生時代バンクーバーにいたことがあったからだ。雨季が長い上に傘をささない人が多く、学生も大人も、みんなゴアテックスだった。

子どもが私を認識しやすいようにと選んだ、「ユーフォリア」というカラー名の黄色いジャケット。風が強い日も小雨が降る日も、子どもと一緒にお出かけをした。公園、幼稚園の送迎、お買い物、毎日たくさんお出かけした。普段のスナップショットにも、旅行の写真にも、黄色い私が子どもと一緒に写っている。

もう5年以上使っているので、肩や背中の色は褪せている。去年新しくグレーを買おうと思ったら「目立たなくてお母さんってわからないかもしれないからダメだよ」と言われた。選択肢なく、次も多幸感あふれるユーフォリアを選ぶことになりそうだ。