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アクタガワ タカトシ/フリークリエイティブディレクター
TAKATOSHI AKUTAGAWA
SIDEWINDER JACKET | 2012
THETA SV BIB | 2011
90年代の半ばまでは、競技としてのスキーに打ち込んでいた。やがてカービングスキーを乗りこなしたいという欲求をきっかけに、フリースキーの楽しさを再認識し、アウトドアブランドのウェアで雪面に立ちたいと思うようになった。そんな時に思い出したのが、90年代に袖を通したアークテリクスのフリースジャケット。あの動きやすさがスキーウェアでも体感できるならば……と、思い切って購入したのが「シータ SV ビブ」。
長年スキーウェアブランドのサロペットを着ていた僕には、流行りのパンツタイプよりもビブの方が安心感があっていい。実際着用してみると、その動きやすさや快適性は想像以上にすばらしく、ゲレンデスキーのみならず、ハイクを伴うバックカントリースキーや雪中キャンプにも大活躍した。しかし購入から10年が過ぎ、長野・鍋倉山でバックカントリースキーをするために足を通そうとしたところ、両脚のパウダーガードがすっかり剥がれ落ちてしまっていることに気がついた。やがてシーズンオフとなり、新しいビブに買い替えるか思案していたところ、ちょうど丸の内のショップで対面での修理サービスが始まったことを知り、早速修理を依頼することに。
数カ月の修理期間を経て、真新しいパウダーガードを備えて戻ってきたビブは、再び僕の相棒となった。そして、2024年2月には待望の北海道・ニセコアンヌプリのバックボウルへ共にドロップイン。腰まであるようなパウダーの中を泳ぐように滑り降りた時の安心感は、10年前と何も変わっていなかった。